“ONなオンナをOFFにする”ブランドのミッションを商品に反映していく――悩み抜いた先に出た答えとは

株式会社メディプラス 商品企画部  甲斐 紗緒里さん

多忙な現代に生きる女性の肌と心を「楽ちん」にしたい。その想いのもと、環境や社会の変化で自分のことを後回しにしてしまいがちなONな女性に、OFFになることでより良いONになるきっかけをつくる商品やサービスをお届けすることをミッションに掲げている株式会社メディプラス。

2016年に社名とブランド名を統一した中で、このミッションを達成するアイテムをさらに追求していかなければならないという課題があった。そこで、今回はこのプロジェクトの中心人物である甲斐紗緒里さんに、プロジェクトで苦労した点や変化と結果、今後の展望について伺いました。

■プロジェクト登場人物

甲斐 紗緒里さん
1983年生まれ。大学卒業後、化粧品OEM会社に入社。9年間、化粧品の企画から処方開発までを経験した後、さらなるチャレンジの場として、2016年に株式会社メディプラスに入社。プロダクトの責任者としてブランド育成に携わる。

■はじめに

「このままでいいのだろうか?」漠然とした不安から新天地へ飛び込んだ
そこには、やりがいのあるプロジェクトが待っていた

ー甲斐さんは以前も同じ化粧品業界でお仕事をされていたとのことですが、メディプラスに転職された背景を聞いてもよろしいでしょうか?

本当に不思議なご縁でした。もともと在籍していた化粧品のOEM会社と、メディプラスはお付き合いがあったんです。ビジネスパートナーとして見た印象としては、本当にみんな仲が良くて、元気で、家族のような仲間意識がある会社であたたかいなぁと感じていました。

あとは私の心境の変化もあって……。実は、以前の会社は新卒から9年在籍していて、会社には不満はなかったのですが、「このままでいいのかな…」という漠然とした不安がずっとありました。

いろいろな世界を見たいという気持ちがくすぶっていた中で、前職の会社の社長と、メディプラスの社長がお話をしてくださったというのが転職の経緯です。すごくありがたいご縁でした。

ー会社には不満はなかったけど、新しいチャレンジをしたいなと思ったんですね。仕事内容で変化はありましたか?

現在も、前職と同じ商品開発を担当しています。以前の会社では、クライアントのリクエストに応えるために化粧品を作って提案をしてきました。メディプラスでは自分達でブランドをどう設計するか、そのためにはどんな商品が必要か、全体を俯瞰しながら企画をしていく立場です。

まだ入社してから1年半ですが、プロジェクトの中身が濃かったので、もう5年くらいいるような気がします(笑)

ー充実していたことが伺えますが、「この会社こんなところがいいよね」とアピールしたくなるポイントはありますか?

仕事の幅を自分で広げられることですね。社内でプロジェクトが次々に生まれるので、手を挙げれば、プロジェクトに関われる環境があります。

ほかにも、毎日「朝ゼミ」を開催するという文化があって、社内の情報を共有したり、外部から講師の方をお招きして勉強したり、みんなでコミュニケーションを取り合う場にしたりしています。その時間がなんと50分もあるので、「こんなことをやりたい!」なども本当にざっくばらんに話し合えますね。

部をまたいだプロジェクトチームがあったり、「女子会」「男子会」と分かれて活動する会があったりと、女性同士のコミュニケーションも取りやすい会社です。

■課題

ミッションを体現している商品がない
これまで販売してきた商品を否定できないことが最大の壁

ー入社後、どういったプロジェクトにまずは携わったのですか?

ちょうどメディプラスがリブランディングをした後の入社だったのですが、そのタイミングで変更したアイテムは、主力商品の「メディプラスゲル」だけだったんです。

その頃に掲げたブランドのミッションである”ONなオンナをOFFにする。”に対応したアイテムが、実は存在していませんでした。1品変わっただけだとリブランディングの意味がない、ではどうしようか? というタイミングで、私もそのプロジェクトに携わりました。

ー”ONなオンナをOFFにする。”というコンセプトがいいですね。具体的にはどういったプロジェクトだったのでしょうか?

”ONなオンナをOFFにする。”というミッションを商品に反映していくというプロジェクトです。

そもそもメディプラスの立ち上げは、アトピー肌だった弊社代表の恒吉明美が、“普通の肌になりたい”その思いから化粧品開発をスタートしたことから始まっているんです。そのタイミングで開発したのが「メディプラスゲル」で、その後いろいろな商品を発売してきました。

おかげさまで、多くのお客様に支持していただけるブランドへと成長しましたが、お客様のことを思うがあまり、代表自身が頑張りすぎて自律神経のバランスを崩してしまい、それをきっかけにまたアトピー肌になってしまって。

そのときに、「肌をケアしているだけではアトピーは治まらないんだ。」「心も肌とつながっているんだ。」という考えが生まれてきたんです。

同じく、仕事をされている人や、子育て中のお母さんたちなど、自分自身をケアする時間をあまり取れない人たちも“ONなオンナ”と考え、そういう人たちをオフにするようなアイテムを開発することがメディプラスとしてはやるべきではないかと。

ーその中で課題や苦労した点などがありましたか?まだ入社間もない頃で、プレッシャーなどもあったのではないですか?

私はプレッシャーを感じにくい人みたいなんです(笑)。ミッションがあってやることが明確だから、もうそれに集中するだけ。どうすればお客様が喜ぶか?それだけを考えていました。

今、販売している商品を愛用してくださっているお客様もいるので、今までの商品を否定することはできない。その中で、新たな価値をどうつけるかを、商品企画のメンバー全員で悩み考え抜きました。

最初は世に出ている論文から「ストレスと肌」や「ストレスと保湿」などの関係性について調べることを重点的に行いました。また、弊社だけではなく、パートナー企業に「こういう情報知らないですか?」とヒアリングしたり調査をお願いしたりと、ありとあらゆる手段を使っていました。

■変化

ミッションに対して原点に立ち返ることで方向性を見出し、商品の改良へ

ーその後のプロジェクトの進捗はいかがでしたか?

もともと「メディプラスゲル」を最初に開発したとき、ビタミンCやヒアルロン酸など、様々な成分を代表自身が肌に乗せて、何がいいのかを確認していました。そのときに、今回のリブランディングのキーにもなっている「セラミド」が一番肌への効果が高かったというのを思い出して…そこからアトピー肌の人はセラミドが少ないという情報を基に、セラミドとストレスの関係について調べてみることにしたんです。

ー原点に立ち返ったんですね。その結果どうなったんですか?

ストレスを受けると、“肌が乾燥する”ということが書かれた論文が見つかったんです。これ以上スケジュールを後ろにずらせないギリギリのタイミングで光が見えてきました。そこから、内容をシンプルに伝えるためにはどうしたら良いかとそこでも悩みました。

元々、メディプラスの中心アイテムにはセラミドが入っていたので、これまでの商品とこれからの商品をつなぐという意味でもセラミドを核に、「なぜセラミドが減るのか」「どうすれば肌をうるおいで満たせるのか」を考え抜いてリブランディングを進めていきました。

そして2017年11月、やっと納得がいくものができて、「やることはやった」「お客様に1日も早く使ってもらいたい!」という気持ちでリリースしました。

■結果と今後

エビデンスをしっかり取ることで自信を得た
リブランディングで基礎を作ったので、今後はもっと広げていきたい

ーリリースしてから、まず社内の反応はどうでしたか?

「お疲れさま」という声とともに、自分たちが売っていくものでもあるのでシビアな意見ももちろんいただきました。

弊社のすべてのアイテムは、実際に使って肌がどうなるか毎回エビデンスを取っているんです。つまり「この化粧品を使うことでこれくらい肌が変わりました」というのを実感値ではなくて、データとして評価しています。どのような肌にどう貢献するかを考えただけではなく、数値として信頼できることをアピールができたのは良かったと思います。

ーそこで納得できるようなエビデンスが出てきて、これなら行けるという自信を得たのですね。市場の反応はどうですか?

メインアイテムの「メディプラスゲル」に関して言えば、効果を実感してほしいポイントとして「長時間潤うしっとり肌」「もちもちとした柔らかな肌」「滑らかでツヤのある肌」の3点があります。

11月にリニューアルして1ヶ月くらい経ったタイミングで、そのポイントを実際にお客様がどう感じたか効果測定したのですが、「長時間うるおうしっとり肌」を実感された方が8割を超えたんですよ! 今までだと最大でも6割程度だったので、とても嬉しくなる結果でした。

それまでは不安でしかなくて、「本当に大丈夫かな…」「これで合っているのかな…」みたいな気持ちもあったんですが、数字が出てホッとしました。

ー結果が出たところで1つのプロジェクトが終了したという実感でしょうか?

そうですね。一旦プロジェクトの終止符を打てるタイミングかもしれません。

でも、商品企画って難しくて、1個作り終わる前に次のアイテムが動き出したりするので、自分の中の終わりがあまり感じられなくて。

今回も、実は終わりじゃなくて始まりだと思っています。お客様や社内からいただいた声から吸い上げられる改良点は沢山ありますし、また次に活かしていかないとな、と思います。いつホッとするんでしょうね(笑)。

常にやりがいがあると言うと嘘っぽいですけど、本当にそんな環境で仕事ができています。

ー「終わりではなく始まり」というのはとても素敵なキーワードだと思いますが、甲斐さん自身は今後どうしていきたいですか?

リブランディングを2017年11月にリリースできたことで、リブランディングの基盤はできたなと思っています。今後は”ONなオンナをOFFにする。”というミッションを実現するための新商品開発を行っていきたいと思っています。