異業界からの転職、入社半年でPJメンバーに抜擢!“お客様目線のプロ”として、作り手と住まい手の想いを繋いでいく

株式会社ツクルバ  青野未央さん

場の発明カンパニー、株式会社ツクルバが運営する「cowcamo(カウカモ)」はリノベーション住宅特化の流通プラットフォーム。「一点もの」の住まいとの出会いを提供しています。

今回ご紹介するのは、カウカモの物件プロデュースプロジェクト。こだわりの詰まった物件を、社内外のデザイナー、工務店、職人の方とともにつくりあげ、こだわりやストーリーと共にお客さまに届けるというプロジェクトです。
このプロジェクトの中心人物である青野さんは、サービスのフロントに立ち、お客さまへ、住まい探しのサポートから、購入後の暮らし方までを提案するカウカモエージェント。

今回は青野さんに、プロジェクトの課題や完了後の変化、今後の展望について伺いました。

■プロジェクト登場人物

青野未央さん
1986年生まれ。「一生をかけて1億人の笑顔に逢いたい」という想いから、大学卒業後、老舗ホテルに入社し、ホテリエとして、様々な業務を経験。その後、更なるチャレンジの場として、2017年に株式会社ツクルバに転職。カウカモエージェントとして結果を残し、入社半年で今回のプロジェクトを任され、その後歴代最速でユニットリーダーに抜擢。

■はじめに

入社半年で初プロジェクトに抜擢
営業経験を活かし、こだわりの物件を1から作り上げる

ー今回のプロジェクトの概要を教えてください。

私はリノベーション物件をご紹介するサービス「カウカモ」で、「カウカモエージェント」としてお客様の理想の住まい探しをサポートする業務をしています。入社6カ月目を迎えたころ、デザイナーや職人とタッグを組んで1からリノベーション物件をプロデュースし、販売するというプロジェクトを担当することになりました。
それまで、「カウカモ」では、リノベーション済みの物件のご紹介がメインだったので、自社が物件をプロデュースしてつくりあげるというこのプロジェクトは、弊社にとっても初めての試みでした。

ーたくさんいるカウカモエージェントの中で、青野さんに白羽の矢が立ったそうですが、任命されたときにはどう思われましたか?

入社してすぐのことだったのでとても驚きましたね。でも、新しい取り組みにワクワクしたしせっかくのチャンスだから、「とにかくやってみよう!」という前向きな気持ちでした。
今回のプロジェクトは私が中心となり、上司にサポートをしてもらいながら、デザイナーとデザイナー経験のあるカウカモ編集チームのメンバーとで進めることになりました。

■課題

知識も経験もない中での挑戦
エージェントとして自分に何ができるかを問い続けた

ー大きなチャンスを与えられたということですね。今回のプロジェクトではご自身の中にどのような課題がありましたか?

とにかく専門知識がほとんどないということが一番の課題でした。そもそも、エージェントは通常業務ではリノベーション部分には一切関わらない上に、建築学科出身でもない私には不動産や建築の知識がほとんどなかったんです。だから、始めのうちはミーティングにもついていけないような状態でした。

それでも、きっとこのプロジェクトで私に現場経験と建築やリノベーションの勉強をさせようという意図もあって任されたんだなとポジティブに捉えて頑張っていました。

ー専門知識のない中、どのようにプロジェクトを進められたのでしょうか。

最初の関門は企画書作成。実はこういう提案資料の作成自体も私にとっては初めてのチャレンジだったので、上司に作り方から教えてもらいながら、何度も作りなおしました。とにかく、エージェントとしてこれまで接してきたお客様の想いやニーズを反映させた企画書にしたいと思って試行錯誤していましたね。具体的には販売するターゲットを決めて、そのターゲットになりきり、どんな家が欲しいか、ひたすらいろいろな妄想をしました(笑)。そして、ある程度のコンセプトはまとまったものの、それを言葉にするのが難しくて。コンテンツチームのメンバーに自分の考えたコンセプトを伝えて、「ここからここへ」というキャッチコピーを決めてもらいました。

企画書を作ったら、次にそれをデザイナーに渡して、一緒に内装プランを考えていきます。企画書よりも内装プランの方にこだわって、デザイナーがひいた図面を見ながら、何十回も練り直しました。

ーなるほど。一番の山場はどんなことでしたか?

予算との戦いですね。やりたいことを全部詰め込んだら、すごい金額になってしまうので……。それでも絶対に譲れない部分があって、その実現のために、かなり一生懸命調整しました。

ー知識も経験もない中、建築のプロと互角に話し合うのは大変だったのではないですか?

そうですね。専門知識がほとんどないので、なかなか専門的な形で伝えられないという苦労がありました。デザイナーも職人も、私以外は全員建築のプロの方なので……。

それでも、企画書を作成する最初の段階で、「こんな感じのデザインにしたい」というイメージが私の中にはあったんです。海外のホテルの部屋のようなデザインだったんですけど、なんとか形にしたくてイメージ写真をかき集めて、デザイナーや職人に頑張って伝えていました。

■変化

こだわるところはこだわり、切り捨てるところは切り捨てる
建築のプロではなく、“お客様目線のプロ”としてやるべきことに気付く

ーいろいろと工夫なさっていたんですね。青野さんならではの視点やこだわりはありましたか?

女性のお客様目線の意見をいくつか出しました。メンバーが全員男性だったので、デザインがわりと男性っぽくて……。例えば、お手洗いに行こうとすると洗濯機が目に入る位置にあったんですが、来客があった時に洗濯物を見られたくないだろうなと思ったんです。そういう「女性は見られたくないだろうな」「気になるだろうな」と思う部分をどんどん指摘して変えていきました。

また、フローリングはどうしても矢印のようなデザインの「ヘリンボーン貼り」にしたいというこだわりがありました。空港へのアクセスがとても便利な物件だったので、「ここから飛び立って、またここに戻ってくる」という滑走路のイメージを表現したくて。「ヘリンボーン貼り」は、通常のフローリング貼りより工数もお金もずっとかかるんですが、そこだけは譲りたくなかったので、予算も含めて色々と試行錯誤を重ねました。

あとは壁の色についてもこだわりましたね。壁は等間隔に穴の開いた「有孔ボード」にしたんですけど、大量にある色見本の中にちょうどいい色がなくて、職人さんにわざわざ作ってもらったんです。色見本の小さなサイズで見る色と、実際に大きな壁になってから見る色では印象が違うと思うんですけど、そのときはそんな知識もなかったので、とにかく作ってもらって、運よくイメージ通りに仕上がったので良かったですね。

ーすごいこだわりですね!プロを相手に色々と意見するのは難しくなかったですか?

むしろ、ほとんど知識がなかったからこそ、思い切った発言ができたんじゃないかと。最初はわからないから、打ち合わせの段階ではほとんど何も言えなかったんですが、デザイナーさんが「私たちはお客様視点がわからないから、どんどん言ってほしい。できないことはあるかもしれないけど、なるべく青野さんの希望に寄せるようにするから、一緒に頑張ろうよ」と言ってくれたんです。それからは徐々に意見するようになって、最終的には何でも言っていましたね。無茶ばっかり言うから大変だっただろうなとは思います(笑)。

最初のうちは、自分も専門的知識を身につけようと考えていたんですけど、それよりもエージェントとして、「これまで接してきたお客様が求めていたもの」をデザインに反映していくのが私の役割なんじゃないかと思うようになったんです。そして、エージェントとしての経験を生かして、“お客さま目線で伝えること“に重きを置こうという考えに徐々にシフトしていきました。
今まで出会ったお客様が持っていた「こうだったらいいな」という想いを実現するためには、黙って見ているわけにはいかないですよね。だから、専門的なところは職人やデザイナーに任せて、私はエージェントとしてのプロの仕事をしようと思ったんです。

■結果と今後

社内外からも高評価の物件が完成し、販売開始から1カ月で契約成立
住まいを通じて“笑顔の輪”を広げていきたい

ー最後には作る側の職人たちとしっかり渡り合っていたんですね。すごいです。結果として物件はどうなりましたか?

とても素敵な物件を作ることができて、売主さんをはじめとする多くの人にお褒めの言葉をいただきました。社内の評判も良く、「これはすぐに売れるよ」といわれていましたが、一方でこんなに素晴らしい物が売れなかったら、販売担当の私のせいだなと、プレッシャーでもありました(笑)。

そんな心配をよそに、カウカモのWebサイトに掲載して1カ月ほどで20組弱のご案内をして、5組の方からお申し込みいただき、そのうち1組の方へお引き渡しとなりました。内装をとても気に入ってくだった方へと繋ぐことができて、とてもホッとしました。通常の販売期間よりも早く売ることができたので、売主さんにも喜んでいただきました。

ーあっという間に売れたんですね!お客様に今までとは違った視点から物件のご紹介ができたと思うのですが、いかがでしたか?

通常は既にリノベーションされたお部屋から、おすすめポイントを見つけて紹介の軸にしているんですけど、今回は自分がこだわったポイントや、一緒に作ってくれたデザイナーや職人の想い・技術などについて、自分の言葉で伝えることができたので、お客様の納得感や満足度は高かったですね。こだわった「有孔ボード」の色についても、「これは既製品ではなく、職人さんがこの部屋のためだけに作ってくれた色なんですよ」という素敵なストーリーを伝えられて本当に良かったです。

ーやはり、自分が体験した上で語ると説得力が違いますよね。終わってみて、どんな学びがありましたか?

建物の構造やリノベーションの過程を知ったことで、既に完成したお部屋であっても、そこにどれだけの手間や時間、想いが込められているかを想像しやすくなりましたね。ドアひとつ、壁ひとつとっても職人さんの想いがあってできていることを感じとれるようになりました。

ー素晴らしい学びがあったんですね。今後はどのようにしていきたいと考えていますか?

今回のように、お客様に職人やデザイナーの想いをしっかりと伝えられ、職人やデザイナーにはお客様からのフィードバックを伝えられるのは双方にとって、とても良いことだと思うんです。職人やデザイナーにとっては、それが家を作るモチベーションになるし、お客様も「作り手の想い」を知ることで、住まいに対する愛着がさらに深まるのではないでしょうか。そして、お客様がいつか大切な家を手放す時がきたら、その想いを次の住人に繋いでいく……。そういう幸せな笑顔の連鎖を作っていきたいんです。

だから、私は住まい一つひとつに笑顔の輪をつくり、末永くお客さまと繋がっていけるカウカモエージェントとして、“お引き渡しからが始まり“という「カウカモ」のモットーを体現できるようになることを目指しています。
いつか、私が作り手と買い手のかけはしになって、住まいを通じてどんどん笑顔を広げていくことができれば、世の中がもっともっとハッピーになるんじゃないかと考えています。