仕事にも人生にもストーリーを

ソニー銀行株式会社 執行役員常務  松下明広さん

インターネットを活用して個人のための資産運用銀行として開業したソニー銀行株式会社。「フェアである」ということを企業理念に掲げ、新しいものに挑戦しながら長期的に信頼されるサービスの提供を目指しています。

執行役員常務の松下明広さんに、仕事をする上で意識すべきことや女性が活躍するために必要な考え方についてお伺いしました。

自分で「何をすべきか」を決めて発信していく

ーソニー銀行に入社してから心がけていることはなんですか

転職してソニー銀行に入社しましたが、仕事の分野を何か特定して「これがやりたい」といったことは、あまり考えたことはないんです。でも、どんな仕事でもチームワークを大切にしたいと思っています。同じ方向を向いて、皆で仕事できるような環境で仕事がしたいという思いはずっと持っています。

また、自分が会社全体に対して何ができるのかを常に考えています。「自分はこの仕事を何のためにやっているのか」ということをちゃんと頭で考えていれば、結果的には皆からちゃんと評価される仕事ができると思うんですよ。

ー社内に野球部を創設したということですが、なにか意図があったんですか

大学では野球部に所属していたんですが、入社して最初に「会社内のコミュニケーションをもっと活発にする必要がある」と感じて野球部を作っちゃったんです。

会社視点で解決策を考えることは、これから女性が活躍していく環境をつくっていく上で、すごく重要だと思うんです。会社視点や部署視点で考えて「これはどうなんですかね?」という投げかけができることは大事なことですよね。自分ではアピールするつもりがなかったとしても、そういった投げかけは自分が良い仕事をするために必要な要素だと思います。

リスクを恐れず、ひとつ上の目線で

ーキャリアアップのために必要なことはなんだと思いますか

どんなに小さな仕事でも「これは会社や部門、部署にとって意義がある」と、自分でさらに高い視点から仕事を見つめることができると、想定以上に周りの人が評価してくれるんですよ。

ただ仕事をやらされてやるのと、「小さくてもこれはこの会社のここの部分で必要なんだ」と思ってやるのとでは全然違うんです。これは男女関係なくですけど、多くの人は与えられた仕事を想定範囲内で終わらせちゃうんですよね。いつまでも範囲内での完成度では、さらに上の仕事ができるようには思ってもらえないんですよ。ステップアップするためには、その一段上の仕事ができると見せることが重要です。

上を目指して声を上げていくということは、多少なりともリスクも伴う行為だと思います。下手な発言をすると叩かれてしまう場合もありますし。だけどそこに少しずつでも主張していけるかが大切だと思いますよ。どちらかというと女性は本能的に守りに入ってしまうらしいですが、少しずつでも超えていこうとする意識を持つと良いんじゃないかな。

自分のストーリーを想像する

ー働く女性へメッセージをお願いします

仕事でも人生でも、自分なりにストーリーを考えながら取り組んでみるのが良いように思います。仕事で考えると、「今、会社はここを目指していて、そのために部署がこんなことやって、その中でもこのチームはこう考え、その中で私はこういうことを期待されてこの仕事をやっていて、この仕事をすることは会社にとってプラスなんだ」というストーリーを自分の中で組み立てていくことが大切です。やってみると、自分にとってその仕事の意義が出てくるので、次第に「じゃあこれは上の人たちにこんな影響があって、他の部署にこういう影響があって…」と、自然に発想できるようになります。出産などが理由で休職したり復職したりするときも、自分の中で「今回の私の休職は自分の人生でどんな意義があって、会社にとってどういう意義があるのか」というのを、自分の中でストーリーを仕立てて考えていってください。

人には、道を進んでいるうちに自分の見える範囲がどんどん狭くなって、自分の足元しか見えなくなってくる時があるんですよ。その時点で自分の置かれている境遇だけ見て、私は不幸だとか、何を求められているのかわからないとか、そういう発想になりがちだと思うんですよね。そのときに「私は何をしているんだ?この会社は何がしたいんだ?」っていうところに必ず立ち戻ると見え方が変わってくると思いますよ。自分の仕事の意義を意識して、少し上を目指しているだけで、自分の中での仕事に対する気持ちが前向きになりますし、すごく仕事がやりやすくなると思うんです。そして周りからも「一段上の目線を持って仕事ができているね」と評価されます。

仕事にも人生にも、そんなストーリー性みたいなものを考えるといいかなと思いますね。