仕事の裁量や時間をコントロールし、自分らしい働き方を作れる人へ

アディッシュ株式会社 取締役兼管理本部長  杉之原 明子さん

「つながりを常によろこびに」をミッションに事業を展開しているアディッシュ株式会社。多様化するコミュニケーションサービスやソーシャルメディアは、人と人との関係に大きな価値を生んでいるのと同時に、その「つながり」によって生じる、新たな課題の解決が求められています。アディッシュ株式会社は、そんなデジタルでつながる時代に必要なサービスを展開している企業です。

今回は取締役兼管理本部長の杉之原明子さんに事業内容や女性が活躍できる環境についてインタビューしました。

ユーザーコミュニケーション分野のプロフェッショナルとして

ーまずは、アディッシュの事業について教えてください。

主に4つのビジネスを展開しています。投稿監視などのモニタリング事業、ネットいじめ・学校裏サイト対策のスクールガーディアン事業、ソーシャルアプリを利用しているお客様からのお問い合わせをクライアント企業に代わって対応するカスタマーサポートサービス、Webやアプリなどのユーザー体験の満足度を高めるフロントサポート事業です。

ソーシャルメディアやスマートフォンなどのインターネットを通じて、人と人がつながることが多くなりましたが、同時に新たな課題も増えてきました。そんな時代背景から、「ユーザーコミュニケーション分野のプロフェッショナル」としてサービスを提供しています。

ー「つながりを常によろこびに」という御社の企業ミッションも、そんな時代背景から生まれたのでしょうか?

そうですね。当社は、「起業家輩出企業」と呼ばれてもいる株式会社ガイアックスのメンバーによって創業した会社です。ガイアックスは、社内で事業を立ち上げた担当者や事業部長にヒト・モノ・カネの権限を積極的に委譲してきましたが、育ってきた事業は独立して会社にしていく流れができ、そうした制度を利用して、当社が生まれました。

「人と人をつなげ、社会課題の解決を目指す」ことをミッションにしているガイアックスから独立し、アディッシュはソーシャルメディアのモニタリングなどを通じて、つながりから生まれる課題を”常に”向き合い、ユーザーの喜びを生み出していこうという想いがありました。そこで社員主導で考え「つながりを常によろこびに」という企業のミッションができたのです。

ーIT業界の課題解決と聞くと、一般の人には難しい……というイメージもあるのですが、この事業に関わる面白さとはどんなところでしょうか?

ソーシャルメディアやWebサービスへの書き込みは、”会話”です。会話は人と人が行うものですから、そのコミュニケーションの課題をクリアしていくのは面白さの1つですね。また、テクノロジーの変化をダイレクトに感じられることも、この事業領域の醍醐味で、AI(機械学習)などの最先端技術を駆使したビジネスモデルの変化と、同時に社内の働き方も進化していく過程を味わえますよ。

例えば、インターネット上に問題になる画像が投稿されていないかなどは、以前は1つひとつ目視でモニタリングをしていましたが、今後は、機械学習によって自動的に抽出されていくようになります。現在、この精度を改善している最中です。

また、こういったテクノロジーを駆使すれば、9〜18時で会社で勤務しなければいけないという働き方自体も変わっていくと考えています。

課題があるインターネットを禁止にするのではなく、上手く活用するにはどうすべきか

ー事業に込めている思いについて教えてください。

当社は人と人がつながるからこそ生まれる課題を解決する4つの事業があり、それぞれに想いがあるのですが、ここでは私自身が関わっていたスクールガーディアン事業をご紹介しますね。
学校や先生を悩ませている問題の1つにネットいじめがあります。当社では、ちょうど10年前、業界で初めて掲示板サイトやSNSなどの投稿のモニタリング事業を展開しきましたが、現在は、場所を変えて、チャットサービスなどクローズドなデジタル空間でも、その問題は起こっています。

だからといって、インターネットを規制したり、学校にスマホの持ち込みを禁止したりするという発想ではなく、どうすれば子供たちがインターネットサービスを上手に活用できる世の中を作れるかを考えるのが私たちのスタンス。学校ごとに問題は違うので、お客様の1つひとつの声を聞いて、手作りでここまでやってきました。

例えば、新しく立ち上げた「Kids’ Sign(キッズサイン)」というサービスは、学校ごとに相談窓口を設けて、生徒からの通報があったら、当社のメンバーが実態を確認し、学校に情報提供、対処法を解説するなど、1つひとつアナログで対応しています。

ー御社はITという最先端の領域で事業を展開しながらも、お客様には担当者がマンツーマンで丁寧に対応していることも多いんですね。

そうですね。お客様と直接向き合うフェーズでは、女性メンバーのきめ細やかなホスピタリティを必要とする業務も多くあります。

一方、サービスの設計フェーズではテクノロジーを駆使して効率化や最適化を図っています。例えば、モニタリング事業では、お客様のサイトと連携をすることで、モニタリングの効率化を図る自社システムを開発しています。

自分と組織の未来を作るためにスキルを磨ける環境

ー女性の活躍に対する思いについてお聞かせください。

当社になぜ入社したのかメンバーに聞くと、今まで旧態依然な体質の会社にいて、今度は自らキャリアや働き方を作っていきたいから選んだという声があります。実際、当社はまだ働く環境が整っている会社ではなく、向こう10年の定型のキャリアパスもありませんが、だからこそ、自分たちの手でキャリアや働き方を作っていけるフェーズだとメンバーに言っています。

その上で、時短勤務や在宅ワークなどはすでに事例があり、これからも制度を増やすことはできますが、なによりも重要なのは、仕事の裁量と時間のコントロール権が自分にある働き方ができるようになることだと思っています。

ー裁量とコントロール権。具体的には、そんな働き方を実現するために、御社はどのようなサポートをしているのでしょうか?

当社では、スキル開発の方針を3つに定めています。1つ目が自分の置かれている状況に必要なスキルを深めること、例えばリーダーシップを深めるなどです。2つ目は新しい領域に挑戦するためのスキルを磨くこと。そして最後は、全く新しいことに挑戦することです。

ー全く新しいことに挑戦というと?

例えば、私のしてきたことかな(笑)。私自身はスクールガーディアン事業を担当していましたが、現在は経験も知識もなかった管理本部の責任者をしています。その過程では、カスタマーサポート事業の拠点長を担当して、少しでも経験のある分野でパフォーマンスを発揮しながら、管理本部を立ち上げるためのスキルを磨く。社内兼業みたいなことをしていました。

また、人事担当の松下(女性)は、アルバイト採用の実務を担当していましたが、日々ルーチンワークに追われ、自分がとにかく手を動かし続けなければいけない働き方をしていました。そこで、業務を全てマニュアル化、業務の半分を福岡センターのコールチームに依頼し、空いた時間で中途採用へ挑戦することになりました。会社としても、自社で中途採用を担いたいという想いがあったので、日々求められる職能タスクを効率化し、組織の未来を作るために行う事業タスクに必要なスキルを磨ける環境を作りました。今では松下が中途採用に100%のリソースを割ける体制に移行することができたのですが、新しい挑戦ができるように仕事の仕方を改革したこともさることながら、本人の努力が多分にあると思います。

ー未来を作るためにスキルを磨ける環境があるのは素敵ですね。とはいえ、自分が何をやりたいかがないと大変なのでは?とも感じます。

当社代表の江戸が「人生を多面的に捉えてほしい」と、よく言うのですが、私も最初は真意がわかりませんでした(笑)。でも、人生は仕事だけではなく、例えば趣味や家庭での役割など、色々な面があります。仕事だけではない、人生全体を応援したいと言う意味が込められています。

そこで、当社では「アディショナルバリューシート」という社内向けのWebサイトを公開していて、「学生時代は何部でしたか?」から始まって「人生において何をやりたいですか?」のような23の質問に答えてメンバー同士で共有しています。

最初は、うまく書けない人も多いのですが、自分を表現すればするほど、やりたいことがかなっている感覚があって、私自身も会社経営に携わると書いたことが、今こうやって実現しています。

一緒に働き方を作るメンバーとして、自分を表現してほしい

ー働く女性に対するメッセージをお願いします

自分の想いを閉じ込めず表現してほしいです。それは、事業を作るといった仕事面だけではなく、働き方を作っていく面もです。何かしたい時に、企業の就業規則にないから無理だと、定められた枠のなかで諦めるのではなく、勇気を持って表現していくことで、拓ける道はきっとあります。

私自身も、生涯かけてこれをやりたい!といった確固たる目標はまだ見つけられていませんが、この環境で、新たな仕事や勉強に挑戦し、いつか出会いたいと考えています。自分自身の良いところも嫌なところとも向き合いながら、1つひとつの点を繋ぎ、自分が描くありたい姿に近づいていける環境をぜひ見つけてください。